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社会的責任への取組−インターンシップ受入−工藤笑美さんの感想文

 

2012年10月17日〜10月20日に当会のインターンシップに参加した工藤笑美さんの感想文をご紹介します。

 

 

「インターンシップの感想」 工藤笑美 / 東京国際大学人間社会学部福祉心理学科3年

 

平成24年10月17日〜10月20日の4日間にわたりNPO法人 ひとり暮らし高齢者の笑顔をつくる会様(以下笑顔の会)でインターンシップをさせていただいた。以下にその動機と感想を記載する。

私は普段大学で精神保健福祉士の勉強をしているが、個人的に今夏ヘルパー2級を取得した。そこで介護保険が万能ではない現状を知り、自分は施設等の介護職として働くのではなく、「地域」という視点で高齢者や障害者のサポートをしていきたいと強く感じた。更にNPO等団体の立ち上げや運営にも興味を抱いていたところ、インターネットを通じて笑顔の会にご縁をいただき、今回のインターンシップに至った。

 

専門職が居ない団体

個人的に、福祉系NPO法人には福祉の現場でキャリアを積んだ方が携わっておられるという印象が強かったのだが、笑顔の会には福祉の専門職はおろか資格を持っている人さえ居ないということに驚愕した。(野崎ジョン全也理事長−以下ジョンさん−は、居宅介護支援事業所・訪問介護事業所や特例子会社の経営に従事されていたものの直近のキャリアではないし、現場のキャリアも皆無である)

ここに集まっているのは「地域住民」で、それ以上でもそれ以下でもないのだ。

大学で「専門職だけではなく地域住民と一緒に福祉を作っていくことがこれから求められる」「地域住民が求める講演や講座を開き福祉を広めることも専門職の仕事」等習っていた為、まさに笑顔の会はこれからの地域福祉のモデルになる先駆的な活動をしていると思った。

更に、仮に自分が専門職になったとしてどのようなニーズがありどのように動けばいいかなどと考える機会にもなった。

 

高齢者への介護保険外サービスの提供

少子高齢化が急速に進む日本で、今後強く求められのは「質の高い生活」、つまり介護職でいうQOLの向上である。私見だが、施設・自宅問わず、生きる楽しみや喜びを感じないまま日々を送るのはあまりに辛いと思う。生きる意味を見出せなければ生きたいとも思わなくなってしまうだろう。どうしたら高齢者の生活にささやかな「喜び」や「楽しみ」を添えられるだろうか。

私は、介護保険サービスのように法律や規制に縛られること無く自由な裁量が許される立ち位置は、有償・無償問わずボランティアなのではないかと考えている。高齢者の「ちょっと手伝って」に応える笑顔の会の活動には、ヘルパー対要支援者ではなく、近所の人対近所の人としての空気が流れていた。

高齢者の心に寄り添えるのはおそらく介護職だけではない。むしろ時間をはじめとする様々な制約にとらわれずに相手と向き合える市民活動にこそ、より丁寧なケアを実現できる大きな可能性が秘められているのではないだろうか。

 

毎週の「特酒ミーティング」

自分が良いな。と、思ったもののひとつが特酒ミーティングである。「気を遣うしエネルギーも使う仕事だから、ミーティングで日頃の想いを吐き出してもらえれば」というジョンさんの考えに非常に賛同した。

研修を行い、皆でご飯を食べながら相談や情報のシェアをする。ピアサポーターに近いものを感じた。和やかな雰囲気ながら、時には真剣なやりとりが交わされる。

ヒューマンサービスはストレスをためやすい。また、次から次へと予期せぬことも起こる。マニュアルはあって無いようなもの。

予期せぬことが起きたときに何を基準に判断すれば良いか。ジョンさんは「倫理が全てに優先する」とおっしゃっていた。ミーティングで価値観を共有し、研修で基準とするものを確認する。それが継続的な活動を可能にすると思った。

 

全体を通して

初めての大阪、初めてのインターンシップということで不安もあったが、3泊4日の間、笑顔の会の皆さんはとても優しく気さくに接してくださった。そのおかげで普段の自分らしく過ごせ、多くのことを学ぶことができた。笑顔の会の活動以外の話も沢山できて視野も広がったし、人間的にも成長できたように思う。寝泊りや食事等も助けていただき感謝している。

埼玉に帰った今、自分はこの地域で何ができるのだろうと考えながら充実した生活を送っている。

笑顔の会の皆さん、ありがとうございました。

 

小林優樹君のインターンシップの感想文も読む

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